【論風】理不尽なガス全面自由化 競争不在で値上げ不可避に (2/3ページ)

2016.11.10 05:00

 家庭向けの都市ガス小売事業も同じ。それだけを営んでも、天然ガスの調達や安全確保の面でかなりのコストがかかる。電力会社や石油会社など大手資本でさえ、新規参入は難しい。冒頭で述べたように、都市ガス小売事業への新規参入を予定している事前登録者が少ないのには、そういう事情もある。そんな中、前述2つに代表される高過ぎる参入障壁は是正されない気配だ。

 せめて、ガス託送料金の大幅引き下げや、マンション一括契約に係る規制緩和といった主要論点だけでも突破しなければ、都市ガス全面自由化は、電力全面自由化よりもさらに期待外れの結果になってしまうだろう。

 そしてもう一つ、料金規制撤廃とそれに関する経過措置が何とも奇妙な話になっている。都市部の大手都市ガス事業者にのみ規制を残し、地方の中小都市ガス事業者から規制を撤廃していくというのだ。

 ◆都市部で先行実施を

 都市ガスの料金規制撤廃には大きな問題がある。それは、自由市場・自由料金のLPガス事業が従来からどんな状況にあるかを見れば明らかだ。競争はほとんど起こらず、価格は高止まり。1999年のガス事業法改正で、都市ガス料金については値下げを自由化したが、料金値上げについては従前の認可制を維持。値上げも自由化すれば、地方を中心に値上げが相次ぐことは必至だからだ。

 都市ガス料金を自由化すれば、強力な競争相手がいない限り、あえて値下げする理由はなく、高い方に収斂(しゅうれん)していくのは間違いない。だがそれは、普通の民間企業の経営者としては、むしろ当然の判断だ。値上げの自由化…それが今回の全面自由化、料金規制撤廃の本質だ。

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