東京都の小池百合子知事は11日の定例会見で、東京を国際的な金融拠点にするための対策について話し合う2つの有識者会議を設置することを発表した。東京に金融関係の企業を呼び込むため、法人税の実効税率の引き下げなどを検討する。小池氏は「金融産業の振興は、都市の魅力や競争力を維持する上で重要だ。アジア1の国際金融都市の地位を取り戻したい」と述べた。
設置するのは「国際金融都市・東京のあり方懇談会」と「海外金融系企業の誘致促進等に関する検討会」。懇談会のメンバーは小池氏のほか、日本証券業協会会長や国内外の企業の経営者など15人で、25日に初会合を開く。外資系金融機関の参入を促進するために課題を洗い出し、税制の見直しや規制緩和策について検討。政府とも連携しながら、約1年をかけて都が構想を策定する。
検討会では都や金融庁の実務担当者が資産運用会社などの企業誘致へ向けて、来年度から着手が可能な短期的対策を議論する。年内に当面の対応を取りまとめる予定としている。
小池氏はこの日の会見で、米大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利したことに言及。「(トランプ氏は)法人税を半分以下に下げるような発言もあり、ターゲットにしているのが読み取れる」とし、「世界の潮流を見ると、法人税のあり方は議論の的からは外せない。しっかり議論をしていきたい」と語った。