TPP発効での格差拡大防止 首相、経済界に賃上げ要請継続も

 安倍晋三首相は15日の参院環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)特別委員会で、TPP発効により恩恵を受ける自動車産業など経済界に対し、今後も引き続き賃上げ要請や、下請け企業との取引条件改善といった対応を進めていく意向を示した。一部の大企業や富裕層に利益が集中し、格差が拡大するのを防ぎたい考えだ。

 首相は、TPPが発効しても「一部の人に富が集中しない仕組みを作っていくことが大切だ」と指摘した。その上で「例えば自動車産業は輸出が増え、利益を得るだろうが、われわれは賃上げを要請し、下請け企業との取引慣行も適正化を求めている。それを進めていく」と述べた。

 TPPの発効は米大統領選のトランプ氏勝利で困難な情勢だが、トランプ氏との会談やペルーでのTPP首脳会合を通じて早期承認を促していく考えも改めて強調した。

 また、TPPの発効手続きが進まない場合、アジア太平洋地域で進む経済圏づくりで「軸足が東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に移る」と懸念した。その上で「RCEPは米国が入っていない。最大の国内総生産(GDP)は中国になる」と警戒し、TPPを重視すべきだとの考えを示した。