APEC開幕 トランプ対抗、自由貿易の重要性を確認

 日米中など21カ国・地域が参加するアジア太平洋経済協力会議(APEC)の閣僚会議が17日、ペルーの首都リマで開幕した。岸田文雄外相は会議で「APECが力強く自由貿易を推進する意志を示すことが重要」と表明。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)から脱退を主張するドナルド・トランプ氏が次期米大統領に決まるなど保護主義的な風潮が強まる中、団結をアピールして牽制(けんせい)する。

 ペルーが議長国を務める今年のテーマは「質の高い成長と人間開発」。17~18日に閣僚会議、19~20日に首脳会議を開催する。

 一連の会議では、貿易や投資の自由化を掲げ、APEC域内を包括するアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構想の議論が中心になる。過去の首脳・閣僚会議では、構想実現に向け今年末までに戦略的研究の結果を報告することが決まっており、今回の会議で研究結果が公表される方向だ。

 また、電子商取引(EC)の対応など零細・中小企業の近代化も議論する。

 世耕弘成経済産業相は、「世界経済が停滞し、反グローバリズムや反自由主義の機運が生まれつつある」と指摘する。会議では保護主義と戦うメッセージを打ち出す見通し。

 一方、TPPに参加する日本、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア、ベトナムは17日、リマで巨大自由貿易協定(メガFTA)の重要性を協議する貿易担当相会合を開く。TPPの国内承認手続きを加速する姿勢を打ち出し、トランプ次期政権に批准を促す構え。

 ただ、ベトナムのグエン・スアン・フック首相は17日、TPP批准に向けた国会の承認手続きを中止すると表明。参加国の足並みが乱れれば、会議で明確な意思表示ができなくなる恐れもある。