【APEC】首脳会議が閉幕 自由貿易推進の決意表明も、すでに関心はトランプ氏へ

 【リマ=田北真樹子】ペルーの首都リマで開かれていたアジア太平洋協力会議(APEC)の首脳会議は20日午前(日本時間21日未明)、あらゆる保護主義的な動きに対抗し、自由貿易推進の決意を表明した首脳宣言を採択して閉幕した。今回の会議では、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に否定的なドナルド・トランプ氏が次期米大統領に選出された直後とあって、トランプ氏が“影の主役”として参加者の強い関心を集めたようだ。

 首脳会議で安倍晋三首相は「自由貿易こそが世界経済の成長の源泉。自由貿易の利益が均霑(きんてん)されない、格差が拡大するという懸念が保護主義をもたらす。日本は自由貿易を推進し続ける」と強調。TPPについて「自由で公正なルールに基づく経済圏を創出する」と述べ、零細・中小企業が安心して海外展開できるようになるとの見通しを示した。

 首脳宣言は、自由貿易のの恩恵を広範に行き渡らせるため「社会のあらゆる分野に働きかける必要性」を認識し、経済成長による格差解消の重要性を訴えた。また、APEC全域を網羅するアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の実現に向け、TPPを含めた地域的取り組みを基礎とする方針を再確認し、FTAAPに関する「リマ宣言」をまとめた。

 このほか、首脳宣言は、教育向上のための協働の奨励や女性主導の零細・中小企業の成長、女性のキャリア開発促進などを盛り込んだ。日本が推進する、基礎的な保健サービスを負担可能な費用で受けられる「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」の達成を目指すべく、強靭(きようじん)で持続可能な保健システム促進の重要性もうたった。

 さらに、昨年のフィリピン・マニラでのAPECの首脳宣言に続き、持続的な経済成長を目指すにあたり質の高いインフラが重大な役割を担うとの考えに再び言及した。特に情報技術、エネルギー、輸送インフラの分野で「具体的な行動に移していく」と明記した。

 来年のAPEC首脳会議はベトナムで開かれる。