ベトナム 余剰米120万トン 輸出低迷、生産過剰で増加

ベトナム南部カントー省でコメの収穫作業をする農民(ブルームバーグ)
ベトナム南部カントー省でコメの収穫作業をする農民(ブルームバーグ)【拡大】

 ベトナムは、国産米の在庫が積み上がっている。同国の商工省と食糧協会によると、今年10月末時点で約120万トンが余剰米となっているもようだ。国内のみならず世界的にコメ需要が低迷し、コメ輸出も落ち込むなか、生産過剰が原因とされる。国営ベトナム・ニューズなどが報じた。

 同国は、今年1~10月のコメ輸出量が前年同期比18.2%減の400万トン、輸出額が同14.3%減の19億ドル(約2128億円)と大幅に後退した。食糧協会は今年6月、16年通年のコメ輸出量を当初予測の650万トンから565万トンに引き下げたものの、目標達成は困難とみられている。

 コメの需要は世界的に落ち込んでおり、タイやパキスタン、インドなどコメの主要輸出国が収穫期を迎えるなか、さらなる国際価格低下も予測される。

 食糧協会によると、ベトナムのコメづくりは昔ながらの三毛作を続けていることや干魃(かんばつ)や豪雨など天候不順への対応が不十分なことから、コメの品質や生産量にばらつきがあるという。同協会は、コメの国際競争が激しくなるなかでベトナムが今後、世界有数のコメ輸出国としての地位を保持するのは難しくなるとの見方を示した。

 コメの輸出促進に向け、商工省は農業・地方開発省と連携し、品質向上や新市場開拓に注力する。商工省は、政府が同国中央銀行に対し、コメ生産農家への融資条件緩和などを指示するよう求めている。また、農業・地方開発省傘下の農業科学アカデミーは、コメ輸出量の拡大に向け、ベトナムはブランド米の確立が必要不可欠だと強調した。

 ベトナムは、世界3位のコメ輸出国としての地位を維持するため、国際競争力の強化に向けて、生産体制の見直しやコメの付加価値向上など、コメ政策の転換期を迎えているようだ。(シンガポール支局)