【社説で経済を読む】「トランプ当選なら暴落」反省はどこに 「理屈は後からついてくる」 (1/4ページ)

産経新聞客員論説委員・五十嵐徹

 「トランプ当選なら世界経済は大変なことになる」

 投票直前まで、そう言い交わされていた市場が、いまや久々に活気づいている。

 「大変」と予想したのは、次期米大統領に決まったトランプ氏が、選挙戦中一貫して保護主義への回帰ともとれる発言を続け、世界経済の収縮要因になると受け止められていたからだ。

 実際、トランプ氏優勢の報が伝わった11月9日午後の日本市場は激震に見舞われ、為替はあわや1ドル=100円台割れも予想される急激な円高・ドル安が進行。それを受けて株式市場も全面安の展開となり、平均株価は一時1000円超の暴落を見た。

 ところが翌日は、前日の展開が嘘のように一転して上げ相場に。為替はその後も円安方向にあり、平均株価は年初来高値を更新するまでになっている。

 毎日社説(11月27日付)によれば、トランプ氏の「積極政策で米経済の成長が加速するとの期待が先行」しているからだという。

 積極政策とは、勝利宣言の演説でトランプ氏が真っ先に挙げた大幅減税とインフラへの積極投資を指す。高速道路や橋、トンネル、空港などの建設は、雇用を創出し、経済を刺激するというのだ。

「理屈は後からついてくる」