ベトナム 輸出伸び率、目標達成困難 今年1桁見通し (1/2ページ)

ベトナム北部ブンタウ港の積み荷作業(ブルームバーグ)
ベトナム北部ブンタウ港の積み荷作業(ブルームバーグ)【拡大】

 ベトナムは、今年の輸出額の伸び率が政府目標の10%を達成するのは困難との見方を同国のチャン・トゥアン・アイン商工相が示した。中国をはじめ主要輸出相手国の経済の先行き不透明感に伴う需要減が主な原因と同相は指摘した。国営ベトナム・ニューズなどが報じた。

 同国統計総局によると、今年1~10月の輸出額は1441億ドル(約16兆9462億円)で、伸び率は前年同期比7.2%にとどまった。同期の輸出額を品目別にみると、最大が携帯電話・部品の283億ドルで前年同期比の伸び率は10.3%だった。繊維・縫製品は199億ドルで5.2%にとどまったほか、農林水産物も183億ドルの7.9%増と勢いを欠いた。

 一方、最大の輸出相手国である中国への輸出額は403億ドルでマイナス1.2%と後退した。同相は、輸出の伸びが鈍化している原因として、世界需要の減退に加え、ベトナムの構造的な問題を挙げている。同国は、携帯電話や繊維・縫製品などの主要輸出品目で裾野産業の発展が遅れ、原材料や部品を輸入に依存しているため、輸出する完成品は原材料などの市況価格の変動を受けやすい。さらに、周辺国との輸出競争が激化するなか、地場企業の国内での地盤沈下と国際競争力低下などが懸念される。

 1~10月の外資企業による輸出額は1008億ドルで伸び率が10%を超えて貿易収支が195億ドルの黒字だったのに対し、地場企業の貿易収支は159億6000万ドルの赤字だった。

 同国は、輸出振興を目指して自由貿易協定(FTA)の締結を進め、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)にも大きな期待を寄せるなか、ドナルド・トランプ次期米大統領がTPPからの脱退を表明し先行き不安が広がっている。