日銀は20日、2日目の金融政策決定会合を開き、現状の金融緩和策の維持を決めた。新興国など海外経済の持ち直しや足元の円安株高を背景に、輸出や個人消費、生産の判断を引き上げた。同日、黒田東彦総裁が記者会見して、会合の決定内容について説明する。
輸出と生産は「鈍さがみられる」から「持ち直している」に、個人消費は、「一部に弱めの動きが見られる」から「底堅く推移している」にそれぞれ判断を引き上げた。新興国経済の回復やトランプ次期米大統領の政策への期待感から進んだ円安株高を反映した。12月の企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の景況感が6四半期(1年半ぶり)に改善したことも裏付ける結果となった。
米国の金利上昇が続いており、日本の長期金利も一時、日銀がマイナス金利の導入を決めた1月29日以来となる0・1%まで上昇したが、現状の金融緩和策については維持を決めた。
日銀が大規模な金融緩和策を続ける一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は14日に追加利上げを決め、欧州中央銀行(ECB)も8日の理事会で量的緩和の縮小を決定。欧米の中央銀行と日銀の政策の方向性が対照的となっている。