日銀は29日、12月19、20日の金融政策決定会合での「主な意見」を公表した。9月に導入した短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度に誘導する金利操作の枠組みは「円滑に機能している」と評価する声が多かったが、「為替・株式市場の変動が大きく高まった」と疑問の声も上がった。
会合では新しい枠組みの継続を賛成多数で決定。一方、新たな枠組みの導入から3カ月足らずで日銀が指定した利回りで国債を無制限に買い入れる「指し値オペ」の実施や超長期国債の買い入れ増額を余儀なくされたことについては、「長短金利操作の難しさを裏付けた」や「長期金利は微細な調節になじまない」など否定的な意見も出た。
足元ではトランプ次期米大統領への期待感から米金利が上昇。円安・株高傾向が続いていることについて、「2013~14年前半にかけて、物価上昇率の伸びが加速した局面と類似する」とみる声もあった。
また、日銀はこの会合で景気判断を上方修正した。国内景気については「回復の足取りがよりしっかりしてきている」として、先行きも政府の経済対策の効果や海外経済の回復で「成長を続ける可能性が高い」と前向きな見方が目立った。