ネット旅行業界、グーグルの進出を警戒 競合するケース増加「うっとうしい」 (1/3ページ)

 11月にロサンゼルスで行われた世界最大のインターネット旅行業界の会合「フォーカスライト・カンファレンス2016」で、ネット旅行予約大手のプライスライングループ傘下にある旅行比較サイト「カヤック」のスティーブ・ハフナー最高経営責任者(CEO)は、少し変わった質問を受けた。それは「グーグルと聞いて真っ先に思い浮かべる言葉は何か」というものだった。同氏は「Annoying(うっとうしい)」と答えたという。

 ハフナー氏の回答は業界の気分をうまく代弁している。ネット旅行業界は年間150億ドル(約1兆7520億円)以上の収入を得て相当の利益を上げているが、プリンスラインやエクスペディアなど業界大手は、グーグルの進出に警戒を強めている。グーグルと、同社にとって最大の広告収入源の一つであるネット旅行業界の間で、緊張が高まりつつある。

 競合するケース増す

 これまで両者の関係は良好だった。ネット旅行業界の大手企業は、グーグルの検索広告に支出したり自社ウェブサイトをグーグルのアルゴリズムに合わせて調整したりすることによって、グーグルで旅行関連の検索が行われたときに自社の情報が検索結果のトップに表示されるようにしていた。

 しかし近年グーグルは検索エンジンを改修し、自社が提供する航空機情報やホテル情報を、プライスラインやエクスペディアのリンクよりも上位に表示するようになった。9月に旅行計画アプリを開始したほか、グーグル経由でホテルや航空機を予約できるようにした。一部のネット旅行会社は、このようにグーグルと直接的に競合するケースがますます増えると考えている。

「グーグルは広告収入だけでなく、もっと大きなビジョンを描いている」