トランプ外交、中東政策のカギ握るユダヤ人脈 イスラエル右派にてこ入れか (2/3ページ)


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 ユダヤ系米国人対象の調査では、パレスチナ国家樹立による和平実現は「可能」とみる人が全体の6割を占めたのに、正統派の間ではわずか3割。

 今月、トランプ氏がイスラエル大使指名を発表したデビッド・フリードマン氏(57)も熱心な正統派ユダヤ教徒。企業破産を扱う弁護士で、20年前からトランプ氏を支えてきたビジネス・パートナーだ。

 彼は入植地の支援団体の会長で、「パレスチナ国家樹立」の和平案を正面から否定する。今年2月、イスラエルの右派系メディアへの寄稿で、和平案について「戯言だ。もうやめろ」とこき下ろした。「入植地支援」を公言するユダヤ系が米国の駐イスラエル大使に起用された例はない。

 イスラエルの右派政権は、トランプ政権発足を前に活気づいている。12月初め、国会は「入植地法案」を承認した。入植地の4千戸以上の住宅を合法化するための法制定に向けた第一歩で、事実上の「併合」法案だ。パレスチナ自治政府だけでなく、和平推進派の米ユダヤ系団体にも反発が強い。

 ネタニヤフ首相は11日に米テレビで、「私はトランプ氏をよく知っている。わが国を支持する姿勢は明らかだ」と述べ、米新政権との関係構築に自信をみせた。

トランプ氏は「中東和平という偉業」に意欲を示したが…