日銀が5日発表した2016年末のマネタリーベース(資金供給残高)は前年末比22・8%増の437兆4314億円となった。10年連続で前年を上回り、過去最大を更新した。
マネタリーベースは紙幣として流通しているお金や、金融機関が日銀に預けているお金の合計で、金融緩和の目安とされる。日銀が銀行などから国債を買い入れることで主に増加している。
日銀は、生鮮食品を除く消費者物価指数の前年比上昇率が安定的に2%を超えるまでマネタリーベースの拡大を続ける方針。昨年9月の政策変更で、金融調節の目標をマネタリーベースの増加額から長短金利に変更したが、引き続き年間80兆円をめどに長期国債を買い入れるとしている。
16年末のマネタリーベースのうち、金融機関が日銀の当座預金に預けている残高は30・5%増の330兆2280億円。紙幣は4・1%増の102兆4612億円、貨幣は1・1%増の4兆7422億円だった。