米粉の普及へ用途別新基準 3種に分類、ノングルテンも表示

 農林水産省がコメから作った米粉に関し、菓子・料理やパン、麺といった用途別の基準を新設し、普及に乗り出すことが分かった。製造業者によって品質にばらつきがあるためで、消費者が用途に合わせて選びやすいように分類し、消費の拡大を促す。農水省の支援を受けた民間団体が3月までに作る予定で、2017年度予算案に関連費用を計上している。

 主食用米の需要は毎年約8万トンずつ減っており、コメ余りの解消を目指し、主食用以外にも利用を増やしたい考えだ。米粉の製造業者や食品メーカーに基準を周知するため、国は民間団体が開く説明会の費用などを支援する。

 小麦粉は含まれるタンパク質の量などに応じ「薄力粉」「中力粉」「強力粉」といった民間の基準があり、用途に合わせて調理しやすい。米粉は小麦に代わってパンなどの原料になるが、製品価格が割高なこともあり、利用量が年間約2万トンと低迷している。

 素案では、コメを細かくひいた際のでんぷん成分や、水分の含有率などの基準を示して3つに分類し、菓子・料理用を「1番」、パン用を「2番」、麺用を「3番」と表記する方針。

 農水省は、タンパク質の一種であるグルテンの含有量の基準を1ppmとし、これを下回る米粉製品に「ノングルテン(Non-Gluten)」と表示することも検討している。麦類に含まれるグルテンが誘発するとされるアレルギーなどに対応した食品の需要が国内外で増加しており、ノングルテンの米粉を使った製品を開発する業者を後押しする。

 農水省の担当者は「小麦粉が食生活に浸透している中で、米粉を普及させるには、グルテンを含まないなどの米粉の特徴を生かす必要もある」と話している。

 約9割を外国産に依存する小麦は15年度の輸入量が約566万トンに上る一方、16年産の米粉用米の生産量は1万8454トンの計画で、5年前の約半分にとどまっている。