小浜京都ルートでは、滋賀県西部を走るJR湖西線が対象と想定されている。しかし、新幹線は滋賀県を通らず恩恵がないのに、経営負担だけを押しつけられることに対する県内の反発は大きい。
PTでは、同意を得る具体的な手法について今後検討を進めるとしている。西田氏は、JR西が小浜京都ルートを提唱していたことを踏まえ「JRに勝手に決められないようにしたい」とクギを刺す。
京都府は費用負担を問題視する。小浜京都ルートは主に山間部を走るため府が受ける恩恵は少ないが、現行制度では走行距離に応じた負担を強いられる。山田啓二知事は「府民に生じる便益に従った負担が筋」と主張。負担のあり方は今後の議論の対象となる可能性がある。
全線開通の効果を最大限発揮するため、関係者は「早期の着工が必要」と口を揃える。今後ルートの詳細な調査に2年、環境影響評価に4年がかかる。その間与党では2兆700億円にのぼる建設費確保についての議論を進めるが、まずは「地域の同意」取り付けという難題に着手する必要がある。