対中報復関税、貿易戦争呼ぶ アジア全体に打撃拡大、成長鈍化も (1/2ページ)

2017.1.11 06:21

 トランプ次期米大統領は中国に対して懲罰的な関税を課し、貿易赤字を縮小すると公約している。この措置による打撃は中国だけでなく、アジア全体に広がる恐れがある。

 モルガン・スタンレーは、エコノミストの間にこうした見方が広がっていると指摘する。エコノミストらはトランプ氏が発動する措置で貿易摩擦が高まり、世界最高の成長を続けるアジア経済の勢いが鈍化する恐れがあるとみている。米国のモノの貿易赤字のうち、対アジアは67%を占める。

 オックスフォード・エコノミクスのアジア担当首席エコノミスト、プリヤンカ・キショア氏(シンガポール在勤)は「中国に高額の関税を課すというトランプ氏が選挙戦中に示した提案は、1930年代のような貿易戦争の再来を懸念させる」との見方を示し、「エスカレートする可能性は低いと考えているものの、世界的な成長低迷と西側でのポピュリズム(大衆迎合主義)の高揚でアジア全域で保護主義の台頭に身構えなければならなくなるだろう」と続けた。

 キショア氏はまた、トランプ氏が鉄や鉄鋼製品など予想された分野だけでなく、繊維や家電製品、自動車、パソコンなどにも新たな貿易上の制限を課すリスクもあると述べた。こうしたシナリオでは打撃は中国を越えて広がるだろうという。

「米国が受ける打撃は中国より大きくなるだろう」

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