エネルギー関連会合に出席したサウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相(中央)=12日、UAEアブダビ(AP)【拡大】
サウジアラビアは、石油輸出国機構(OPEC)が年央までに原油減産を終了する方向にあるとの見通しを示している。しかし、そうなれば世界の原油供給過剰は解消されない可能性がある。
サウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は16日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開かれたエネルギー関連の会合で記者団に対し、減産合意により世界の原油市場の供給過剰は解消されると予想されるため、OPECとロシアは6月末より先に減産を延長する必要はないとの見方を示した。
同相は、これまでの減産順守の水準や需要見通しを考慮すると減産合意の延長が「必要だとは思わない。2016年にゆっくりと始まった再均衡が6月末までに完全な効果を現す。当然、現在と6月までの間には影響を及ぼしうる多くの変動要因があり、その時になってまた判断することは可能だろう」と語った。需要は夏も増加が見込まれるため、OPECとして十分な供給を確保させたいと述べた。
しかし、減産を年央までに終了し生産が回復すれば、再び供給過剰になり、原油の過剰在庫を減らすというOPECの目的が達成されない可能性がある。