トランプ氏、ドル安誘導を示唆 輸出不利の認識「不利益もたらす」

2017.1.19 05:55

トランプ次期米大統領。正式就任を前に今度はドル高修正に言及した(AP)
トランプ次期米大統領。正式就任を前に今度はドル高修正に言及した(AP)【拡大】

 トランプ次期米大統領は米紙ウォールストリート・ジャーナルが17日に掲載したインタビューで、自らが打ち出す減税策が経済活動を活発化させ、ドル高が進んだ場合には「価値を引き下げる必要があるかもしれない」と述べ、ドル安誘導を行う可能性を示唆した。インタビューは13日に行われた。

 またトランプ氏は「強いドルには確かに利点もあるが、多くの不利益ももたらす」と述べた。さらに中国の人民元に対してドルが「高くなりすぎている」とも発言しており、現状の為替レートが米国企業の輸出が不利になる水準までドル高に進んでいるとの認識を示した。

 トランプ氏は選挙戦中、中国政府が人民元を意図的に安く誘導しているとして、中国を「為替操作国」に認定するとしてきた。今回の発言はさらに踏み込んで、ドル高是正に取り組む姿勢を示したものといえ、同紙は「次期政権が弱いドルを好んでいることを示す最も明らかな兆しだ」としている。

 ドルは第二次世界大戦後、各国政府や企業などが価値の安定に最大の信頼を置く国際基軸通貨として広く流通してきた。ドル高が米国企業の輸出競争力を弱めるとの議論は以前からあるが、米国の各政権は原則として「強いドル」を支持して国際的な経済活動の安定を支えてきた。

 今回のトランプ氏のドル高牽制(けんせい)はこうした米国の伝統的な為替政策の転換につながりかねないとの指摘もある。しかしドル安が進みすぎれば、輸入物価の上昇といった米国の消費者にとってのマイナス面が大きくなる懸念もあり、トランプ氏が再び姿勢を変化させる可能性もありそうだ。(ワシントン 小雲規生)

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