浙江省麗水市蓮都区の利山村で先頃、農業の専門家らが最新の研究動向について話し合う「第8回中国地域支援型農業(CSA)大会」が開かれ、フォーラムの一つ「生態農人議事会」では、農作業の担い手が高齢者ばかりになっている「老人農業」の実態が取り上げられた。
江西省上饒(じょうじょう)市から参加した農場経営者、婁哲称氏は「農業分野の人口構造はバランスを失っている。労働力の平均年齢は50歳以上で、農業従事者の高齢化が当面の課題だ」と問題を提起。「農場を経営して5年、繁忙期の働き手が年々見つけづらくなっている。若者は少なく、農地で見かけるのは高齢者ばかりで、大量の耕作放棄地が発生している」と現状を語った。
重慶社会科学院の行動研究学者、朱芸氏は「農家の高齢化の問題は、農業は収益が低いことや、都市化が進展していることなど複数の要素によるものだ」と指摘。「中国農業の発展のためには若者の参加が不可欠」と、政府の支援拡大を訴えた。
山東省日照市にある美田花園農場の創始者、侯剛氏からは、規模化経営による労働力需要の削減、機械化による生産性向上の声が上がった。
蓮都区農業局の潘金発局長は、同区には新しいタイプの“農業人”が増えていることを紹介。「彼らは農作業ができるだけでなく、新しい栽培技術を備え、情報通信機器を使いこなし、販売ルートを開拓できることから、今後の農業にとって重要な戦力として期待されている」と語った。(中国新聞社)