【ワシントン=小雲規生】25日のニューヨーク株式市場はダウ工業株30種平均が取引開始直後から上昇し、一時、史上初めて2万ドルの大台を突破。午前11時7分(日本時間26日午前1時7分)に前日終値比169・29ドル高の2万0082・00ドルに達した。トランプ米大統領の経済政策への期待が再燃、ダウ平均は公表開始から約120年を経て未踏の領域に到達した。
大統領選前日のダウ平均の終値は1万8259・60ドルで、約2カ月半で1800ドルあまりも上昇した。
株式市場では大統領選後、トランプ氏への期待からダウ平均が連日のように市場最高値を更新する「トランプ相場」が出現した。昨年12月中旬以降は心理的な節目の2万ドルを前に上昇が足踏みしていたが、トランプ氏が今月20日の就任後も減税や規制緩和などで企業活動を支援することを改めて強調すると、トランプ氏への期待が再び拡大していた。
昨年12月下旬に発表された2016年7~9月期の成長率の確定値が3・5%と好調だったことや、12月の雇用統計で賃金の伸びが高かったことも安心材料となっている。
ただ、トランプ氏の経済政策の詳細は明らかではなく、先行きは見通せない。米連邦準備制度理事会(FRB)はトランプ氏の当選で「経済の不確実性が増した」とみており、市場には株価が一本調子で上がり続けるとの楽観を戒める声も多い。