【論風】トランプ政権発足で試練続く農業 ナチュラルアートCEO・鈴木誠 (1/3ページ)

2017.1.26 05:00

 ■米TPP離脱機に戦略再構築を

 トランプ米大統領は23日、大統領選での公約通り、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)から離脱し、参加国に通知するとした大統領令に署名した。米国の離脱により、日米間では2国間の貿易交渉・農業交渉に移行する。TPPであろうと、2国間交渉であろうと、日本国内の農業には、大きな試練が続くことに変わりはない。そもそも日本政府はTPPが国内農業の起爆剤と詭弁(きべん)を弄してきたが、それは論外。よって米国のTPP離脱は国内農業にとっては歓迎といえる。

 ◆強まる対日圧力

 しかしながら、その後に予想される2国間交渉はTPP以上に国内農業には厳しいものになる。トランプ氏は究極のビジネスマン。短期的に強引に収益やメリットの極大化を狙う。倫理観や長期的視点は欠落し、米国の国益という美名の下、世界貿易機関(WTO)ルールにも抵触するようなアンフェアな手法も構わず導入するだろう。

 2国間交渉が進むと、米国産農産物が、今まで以上に日本に流入し、当然に国内農業はさらに衰退する。並行して、日本固有の食の安全基準や、その表示ルールは、米国式に近づくことになり、結果として食の安全安心は後退。すでに心配な日本国民の健康状態がさらに悪化する。このほか、日本農業を支える共済制度や、青果市場流通制度などにも、米国はアンフェアな制度とプレッシャーをかけてきている。

 一方で日本政府は、米国のプレッシャーに負け、国内農業業界には、国産農産物の米国への輸出チャンスが拡大すると机上の空論を言うことだろう。

 国内農業を取り巻く環境はますます厳しくなると予測されるが、それでも生き残っていかなければならない。それは、農家の生計や雇用、地方経済、国民の健康、及び食料安全保障という、国家の基盤を成すものだからだ。

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