インド 貧村の子供たちに図書館を 元教師、私財投じ建設

2017.2.21 05:00

私財を投じて図書館の建設を目指す元教師のラマヌジ・シャルマさん(右)=2016年11月、インド東部ビハール州カムタ地区(共同)
私財を投じて図書館の建設を目指す元教師のラマヌジ・シャルマさん(右)=2016年11月、インド東部ビハール州カムタ地区(共同)【拡大】

 インド東部の貧しい農村で、元教師の男性が私財を投じ、小さな図書館を建てようと奮闘している。退職した7年前に「子供たちが勉強のできる場所を」と思い立ち、建物は昨年完成した。資金不足から本はまだない。村人たちとともに寄贈を呼び掛けている。

 「図書館をつくりたいと話したら、子供たちは目を輝かせて喜んだ」。東部ビハール州カムタ地区のラマヌジ・シャルマさんが話す。1972年に教職に就き、高校で数学などを教えた。

 一帯には穀物の畑が広がり、住民の多くは農業に携わる。人々の暮らしは貧しく、地区には電気がない。学校の授業も「太陽の光が頼り」(シャルマさん)だ。

 放課後や休日には、地元の子供たちは農作業の手伝いに追われる。その合間にシャルマさんは宿題の面倒を見続けた。粗末な住宅の片隅や屋外で、熱心に教科書を読む子供たちの姿を見て、図書館を建てようと決意した。

 退職金や貯金のほかに寄付を募り、ようやく完成した建物には、窓にガラスがなかった。さらに資金を集め、机や本棚もそろえた。100万ルピー(約168万円)ほどを投じたが、肝心の本をそろえるのはこれからだ。

 本はなくても、子供たちは建物に集まり、遊びに興じる。教科書やノートを持ち寄り、ろうそくの明かりを頼りに勉強もする。

 ビハール州はインドでも最貧州の一つ。「現実を変えるには、教育の機会を増やすしかない」。元教師の目は、温かく子供たちを見守っていた。(カムタ 共同)

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