フィリピン、証明シール偽造か 密輸横行、たばこ税収8%減

フィリピン・マニラ首都圏の市場でたばこを売り歩く男性(ブルームバーグ)
フィリピン・マニラ首都圏の市場でたばこを売り歩く男性(ブルームバーグ)【拡大】

 フィリピンは、たばこの税収が減少するなか、違法たばこの流入増加などが懸念されている。同国の内国歳入庁(BIR)によると、2016年のたばこ税の徴収額は916億ペソ(約2061億円)で、15年の995億ペソから8%減少した。同庁は、密輸や偽造などの不正行為が増えているとし、追及する姿勢だ。現地経済紙ビジネス・ワールドなどが報じた。

 同国は、喫煙者の減少による国民の健康増進と税収増を目的に、たばこ税を毎年引き上げている。加えて、たばこ製品の包装にレントゲン写真を載せて人体への影響を警告するといった措置も講じてきた。これらが功を奏して喫煙者が減少し、たばこ税の税収が減少したとの見方もある。

 しかし、BIRは密輸たばこに偽造した納税証明シールを貼付した違法たばこの販売による税金逃れが大きな要因だと主張する。同国では14年後半から国内で販売するたばこには納税証明シールの貼付を義務付けている。このシールが偽造され、密輸たばこに貼付されて全国に流通しているという。フィリピン工業連盟は違法たばこによる税収損失額が年100億ペソに上ると指摘している。

 BIRの幹部は、昨年11月にBIRとフィリピン関税庁(BOC)が合計10億ペソ相当(税額に換算すると約1億7500万ペソ)の違法たばこを押収したと指摘。「合法的にビジネスを展開している企業を破滅させる行為だ」と述べ、偽造シールに関する調査を進めていることを明かした。

 同幹部によると、複数の地場たばこメーカーがシールの偽造に関わっている疑いがあり、外資系も含めて全メーカーを調査する必要があるという。不正の一掃を掲げるドゥテルテ政権は、BIRの活動を全面的に支援する方針だ。麻薬との戦いを続けるドゥテルテ政権が違法たばこにどう対応してくのか、注目される。(シンガポール支局)