もっとも、個人消費の動きはさえない。総務省によると、1月の1世帯当たりの消費支出は、物価変動を除いた実質で前年同月比1.2%減少。天候不順などによる食料品の高騰で支出が振るわず、マイナスは11カ月連続となった。
明治安田生命保険の尾家小春エコノミストは「社会保障の先行き不安などからくる節約志向も残る可能性が高く、個人消費は引き続き緩慢な回復にとどまる」と予想。市場には、2017年度の物価上昇率は1%程度にとどまるとの見方が少なくない。
デフレ脱却に向け、日銀は昨年9月に長期金利を0%程度に誘導する金融緩和強化策を導入した。ただ、米国の金利上昇に合わせて、日本の長期金利が上昇する懸念もあり、難しいかじ取りを迫られる。