金融庁が地銀に特別検査 米利上げ、外債保有に懸念

2017.3.10 05:00

 金融庁は9日、地方銀行の運用部門を対象に、立ち入り検査に着手すると明らかにした。金利低下で国債から外国債券に投資先を移す地銀が増え、価格変動による損失リスクの拡大を警戒しており、運用体制の実態を把握するのが狙いだ。

 日銀のマイナス金利政策で、国債での運用は利益を出すのが難しくなり、少しでも高い利回りを求めて米国債などの外債に投資する地銀は多い。一方、トランプ米政権による積極的な財政政策を見越して米長期金利が上昇し、米国債の価格が下落。保有する債券に含み損が生じている地銀が増えている。米国で追加利上げが加速するとの見方から、金利の一段の上昇が見込まれている。本業の貸し出しの利ざやも縮小傾向にある。

 こうした環境で、東京証券取引所などに上場する地銀82社の2016年4~12月期決算は、全体の7割超に当たる60社で最終利益が減った。「債券の価格が上がったときに売却し利益を計上するのが難しくなった」(関東地方の地銀首脳)という。

 検査では、投資対象の商品内容や経営陣のリスクに対する認識を詳しく調査し、財務の健全性に問題が出ないような体制の整備を求める。問題があれば改善を促す。立ち入り検査は3行程度から手掛け、拡大も検討する。金融庁幹部は「リーマン・ショックのような危機が再び発生したときに対応できるのかどうか、早めに注意喚起しないといけない」と警鐘を鳴らしている。

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【用語解説】金融庁検査

 金融機関の業務運営が健全で適切かどうかを、金融庁や地方財務局の検査官が点検する仕組み。従来は定期的に立ち入り検査をして行政処分などにつなげていたが、海外の経済情勢や市場の動向も踏まえて書類提出や聞き取りを機動的に組み合わせる手法に転換した。人口減少に伴う地方銀行の事業モデルの持続可能性にも重点を置いている。

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