カンボジアで農業就労者が急減 5割下回る 近隣国の仲買人「密輸」定着

カンボジア南部タケオ州の水田
カンボジア南部タケオ州の水田【拡大】

 コメ作りが主要産業であるカンボジアで、農業就労者が急激に減っている。カンボジア農林水産省によれば、国民の約8割が都市部以外の農村地域に住んでいるものの、全就業人口に対する農業就労者の割合は2008年の72%から15年には48%と5割を切るまでに落ち込んだ。

 背景には、多くの農家がいまだ一毛作で生産効率が悪く収入が少ないことがある。

 さらに、近隣国の仲買人がモミ米を農家から直接買い取り国外に持ち出してから精米・輸出するという「密輸」が定着してしまっている。

 近年のカンボジアは7%前後の経済成長が続き、諸外国の企業などからの注目度も高い。だが、「農業への国際社会の関心はあまり高くない」とベン・サコン農水相は語る。減少傾向にあるとはいえ、全就業人口の約半数が就労する農業は、約20%の工業や約32%のサービス業と比べても、国内の貴重な雇用吸収源であることに変わりない。

 カンボジア政府は、農業活性化に向けて策定したライスポリシーに基づきコメの輸出拡大を図った。「コメは白い金(きん)」をキャッチフレーズに、生産、加工、輸出を包括的に近代化し、自国産米を「メード・イン・カンボジア」として国際市場での存在感を高める。そんな思惑も、「絵に描いた餅」に終わった。カンボジアの農業政策は見直しを迫られている。