日銀総裁講演 金融緩和策を継続 長期金利目標引き上げない

2017.3.25 05:00

講演後、質問に耳を傾ける日銀の黒田総裁=24日午後、東京都内のホテル
講演後、質問に耳を傾ける日銀の黒田総裁=24日午後、東京都内のホテル【拡大】

 日銀の黒田東彦総裁は24日、東京都内で講演し、今後の金融政策運営について「海外の長期金利の上昇に応じて、長期金利の操作目標を引き上げるということはない」と述べ、長期金利を低く抑える現行の金融緩和策の継続を訴えた。

 米国の経済については、トランプ米政権の積極的な経済政策で成長率が高まるとの期待感から大きく回復しているとの認識を示した。市場では、米国が景気過熱を防ぐために利上げを続ければ、金利を低く抑えようとする日銀の政策運営が困難になるとの見方がある。

 黒田氏は、日銀が目指す物価上昇率2%には、なお遠いとして「金融緩和度合いを緩める理由はない」と話し、近い将来に金利目標を引き上げるとの市場観測を否定した。昨年9月に導入した金利操作は「円滑に機能している」とし、現状の緩和策を「現時点で考え得る最善の枠組み」と自賛した。

 世界経済は「2016年前半が底」で成長の勢いは着実に高まっていると分析した。ただ、日本の物価と経済情勢の見通しは、いずれも想定を上回るよりも下回るリスクの方が大きいと説明。保護主義的な政策を掲げる米政権の政策運営には不確実性があると警戒感をにじませた。

 日銀は今月16日の金融政策決定会合で、短期金利をマイナス0.1%とし、長期金利を0%程度で推移させる金融緩和策の据え置きを決めた。

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