【香港=河崎真澄】香港政府トップの行政長官を選出する5年に1度の選挙が26日、香港島の会場で行われ、即日開票の結果、政府ナンバー2の閣僚ポストである政務官を務め、中国の習近平政権が支持した林鄭月娥氏(59)が初当選を決めた。香港の選管が同日午後1時19分(日本時間同2時19分)に正式発表した。
香港行政長官選は1997年の中国への返還後5回目。だが、市民の有権者による1人1票の直接選挙ではなく、金融や観光、教育や医療など業界・職能別の団体の代表や政界で構成する選挙委員会(定数1200)が無記名投票した。
同日午前9時に1カ所の投票所で投票が始まり、同11時に締め切られた。投票所と同じ建物で3人の立候補者らが見守る中、開票作業が公開で行われた。香港選管の発表によると、欠員や棄権などを除く1163人が有効票を投じ、777票の林鄭氏が当選した。
定数1200の半数を超える601票以上を得た候補がいなければ、同日午後に再投票が行われる手順だったが、1回目の投票で林鄭氏が当選を決めた。中国国営新華社通信は同日、林鄭氏の当選が確実となった同日午後0時半(日本時間同1時半)すぎ、速報で報道し、中国共産党政権側の関心の高さを裏付けた。