中国側では、既存の政策から米側で対中売却が阻まれてきた米国産品の輸入拡大を、トランプ政権の登場で強く期待する。
具体的には、汎用性の高いハイテク製品、環境政策の方向転換で増産が見込まれる天然ガスなどエネルギー資源が挙げられる。ハードルは高いものの、原発増設を急ぐ中国は米国製の原発導入に関心を抱く。中国の国有企業による米企業買収には意欲十分だ。
中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への米国加盟も、米中双方で取り沙汰され始めた。「出資金の多寡より(加盟という)米側の態度が重要」(呉主任)といった米国引き込みの動きには、米国の方針転換が実現すれば、米国とともに加盟を見送っている日本のハシゴを外す効果を織り込むものとみられる。