インドネシア大統領、対立回避へ政教分離呼びかけ

 インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は、政治家や宗教指導者らに政教分離の徹底を呼びかけた。国営アンタラ通信によると、同大統領は3月下旬、北スマトラ州のイスラム教関連行事に出席し「宗教と政治は、国民が明確に理解できる形で分離しているべきだ」と述べた。国内で激しさを増す宗教対立を回避するのが狙いとみられる。

 同大統領は、2月のジャカルタ知事選を含む地方選挙に伴い各地で「小さな対立」が発生したとし、新たな対立は避けなければならないと主張した。

 ジャカルタ知事選は、今月19日に行われる決選投票にもつれこんでおり、現職でキリスト教徒のバスキ(通称・アホック)知事とアニス前教育・文化相の両陣営が選挙戦を展開中だ。

 現地紙ジャカルタ・ポストによると、ジャカルタでは、一部のイスラム教聖職者がバスキ知事に投票したムスリム(イスラム教徒)の葬儀拒否を宣言するなど、ここ数カ月で宗教対立が激化の兆しをみせている。

 同大統領は「インドネシアは多様な部族、宗教、人種が共存する国家だ」と述べ、政治家や宗教指導者は支持者に多様性を尊重するよう訴えるべきだと強調した。