「人とは何か」を常に思考の真ん中に サローネで再認識したこと (3/3ページ)

 サローネを別の観点からも、その重要性を指摘することができる。

 イタリアのデザインは、空間・人・モノという3つの要素を同時に考慮する点が特徴である。例えば、スカンジナビアのデザインが自然をモチーフとし、自然のかわりとしてモノをデザインしたのとは視点が異なる。

 「イタリアのプロダクトデザインは空間との関係がよく考えられている」との評価が長く続いた背景には、イタリアのデザイナーが複数の視点から広い範囲を見るように訓練されたからだ。特に、「人とは何なのか?」を常に思考の真ん中におく文化土壌が、プロダクトデザインにおいても他国のデザインとの違いを生んできた。

 現在、デザイナーの出身国とアウトプットの間の相関関係はかつてより低い。外国人のデザイナーの製品もサローネには多く展示されている。それでも、「生活の質の高さとは何か?」のベンチマークが、ここにはある。

 どうもサローネの開幕前に書くべきようなことを書いた。しかし、こうした基本的なことをサローネは再認識させてくれた、という意味で開幕後に書いても悪くない。(安西洋之)

【プロフィル】安西洋之(あんざい ひろゆき)

安西洋之(あんざい ひろゆき)上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『世界の伸びる中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)フェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih

ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。

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