農林水産省は、2016年1~12月にふるさと納税の返礼品として贈られたコメの量が、玄米に換算して前年比1.8倍の約2万3700トンだったとする調査結果をまとめた。コメを返礼品に加えている自治体は1001に上り、37%も増加。各地はおいしい新品種の開発に力を入れており、地域振興の目玉としてブランド米の消費に弾みをつけようとしている。
ふるさと納税ポータルサイトを通じて公表情報を同省が集約すると、16年にコメを返礼品としていたのは11県と990市区町村。このうち計999自治体が提供量に関する調査に答えた。域内自治体の分を集計した都道府県別の量(玄米換算)は山形の1万58トンが突出。これに岡山の2658トン、北海道の1866トン、長野の1282トン、佐賀の1102トンが続いた。100トン以上を届けたのは計24道県あった。
銘柄にはコシヒカリが目立つが、山形県は1万円の寄付者に地元のブランド米「つや姫」を贈ってPRした。「きぬむすめ」(鳥取、島根など)、「さがびより」(佐賀)を提供する産地もある。
農水省は「特産品とコメをセットにするケースも多く、数量を伸ばしている」と分析している。
ふるさと納税は専門サイトの開設などで近年浸透し、全体の寄付額は急激に増えている。15年度の自治体への寄付額は前年度の4.3倍の1653億円で、16年度もさらに伸びたようだ。