【投資講座】《外貨の活用》(2)〈円貨保有のリスク〉後悔しない資産運用のために (1/4ページ)

2017.4.17 06:00

 「昔あるところに、ある夫婦がおりました。二人で苦労して植えた稲が冷夏で不作となり、そのうち食べ物にも不自由するようになりました。ある朝、縁側でくつろいでいると、お代官さまが年貢を取り立てにやって来ました…」

 聞き覚えがあるような昔話の一節ですが、これは将来の日本の姿とも重なります。未来話として語ると、次のような話になります。

 「20xx年、あるところに、ある夫婦がおりました。二人でせっせと働いて蓄えた資産を日本株や銀行預金で運用していましたが、手持ちの資産はなかなか増えず、そのうち生活にも不自由するようになりました。ある朝、新聞を手に取ると、年金の支給年齢引き上げの記事が一面に大きく掲載されていました…」

 未来のご夫婦の生活苦は、デフレによる円資産の収益性の低さと、財政難による負担増によるものです。それぞれの背景について、見てみましょう。(SMBC信託銀行 田中正秀)

報われない円での資産運用

 日本では、かれこれ20年以上にわたり、デフレが続いています。デフレがなかなか終息しない背景として、消費者の低価格志向の強まりが挙げられます。モノの価格を調べるためにわざわざチラシを見比べなくても、買いたいモノの値段を手元のスマートフォンで容易に比較できます。さながら株式を売買するトレーダーのように、消費者は複数のウェブサイトで販売価格を比較して、モノを安く買うようになっています。

 安い店でモノを買う人が増えると、売上高は停滞し、企業収益を下押しします。コストを抑えるために従業員の賃金も伸び悩むため、経済は低成長となり、国内資産の収益性を押し下げます。

内外企業の収益性の差は株価に歴然

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