英国のメイ首相は18日、下院を解散し2020年に予定されていた総選挙を今年6月8日に前倒しして実施する意向を表明した。欧州連合(EU)離脱をめぐる自らの交渉方針について国民の信を問う狙い。
メイ氏は離脱交渉について野党の反対が「われわれの交渉力を弱める」と指摘した。野党第1党、労働党のコービン党首は、メイ氏による解散総選挙実施の意向を歓迎すると表明した。
メイ氏はこれまで、20年の下院任期満了まで総選挙は行わないと表明しており、大幅な方針転換。EU離脱をめぐっては、EUが4月29日に首脳会議で交渉指針を決定し、5月にも交渉がスタートすることになっている。
各種世論調査ではメイ氏の与党保守党が高い支持率を保ち、労働党の支持は低迷。現時点で総選挙を行えば、保守党が勝利するとの見方が強く、EU離脱の方針は揺るがない見通し。
現在の下院任期を20年までとする法律があるため、総選挙実施には下院で3分の2の賛成が必要となる。(ロンドン 共同)