尖閣沖マグロ漁、操業時間を明確化 台湾船取り締まり強化 実効性に疑問も

 水産庁が、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺でマグロ漁を共同操業する台湾漁船への取り締まりを強化していることが19日、分かった。今年度から、あいまいだった双方の操業時間を明確化し、監視を強める。夜間の漁を終えた台湾の大型漁船が海域にとどまり、日本側の操業を妨げるなどの弊害が出ていた。今年度から、はえ縄を仕掛ける時間を、日本は午前7時~午後2時まで、台湾は午前1時から7時までと明確化に合意。取り決めを守らない台湾漁船には指導し、漁の終了を求める。ただ、この海域では、日本には拿捕(だほ)の権限はなく、実効性への疑問の声もある。

 日本は2013年、尖閣諸島の領有権を主張する台湾と、トラブルを避けるために「日台民間漁業取決め」を締結、台湾漁船の操業を認めた。14年から、漁が盛んになる4~7月に台湾漁船の集中取り締まりを実施している。マグロ人気から台湾漁船が増え、日本の漁業者は取り締まりの強化を求めている。