来日中のペンス米副大統領は19日、米海軍横須賀基地(神奈川県)の原子力空母ロナルド・レーガン艦上で米兵と海上自衛隊員らを前に演説し、「米軍のあらゆる軍事力で日本を防衛する」と述べた。その上で、米国による日本防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条について「尖閣諸島を含む日本の施政権下にある全ての領土に適用される」と明言し、海洋進出を強める中国を牽制(けんせい)した。
ペンス氏は18日に行われた安倍晋三首相との会談でも尖閣への5条適用を伝達した。トランプ大統領をはじめとする政権幹部が相次いで明言することで、米側の尖閣防衛への決意を鮮明にした形だ。
トランプ政権で最初に尖閣への5条適用を明言したのは、2月3日に安倍首相と会談したマティス国防長官だった。マティス氏は「尖閣諸島に対する日本の施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対する」と述べた。5条適用は同月の日米首脳会談後に発表された日米共同声明にも明記された。ティラーソン国務長官も3月16日の日米外相会談後に米国の立場を重ねて表明していた。
ペンス氏は19日の演説で尖閣諸島だけでなく南シナ海についても言及し、「米国は航行と航空の自由を守る」などと強調した。