米ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は21日昼(日本時間22日未明)、閉幕した。各国は自由貿易の重要性で一致し、世界経済のリスクに協調して対処することを確認した。ただ、3月の前回会議から間もないため共同声明は採択せず、7月の首脳会議に向け、世界経済の課題について協議を続ける。
日本からは麻生太郎財務相と黒田東彦日銀総裁が出席した。
議長国ドイツのショイブレ財務相は閉幕後の記者会見で、「自由貿易が望ましいということについて幅広い合意があった」と説明。さらに、より多くの人々が恩恵を受ける成長に向けた取り組みを続けなければ「保護主義の拡大につながる」と警告した。
また、麻生氏も閉幕後の記者会見で「保護貿易をすべきだという国はない」と発言。輸入品への高課税などの政策を公言してきたトランプ米政権を含め、自由貿易の重要性について認識を共有しているとの見方を示した。
一方、米財務省は21日、ムニューシン米財務長官が国際通貨基金(IMF)に対し「加盟国の為替相場を厳しく分析すべきだ」と要求したことを発表した。IMFの運営方針を決める国際通貨金融委員会(IMFC)に提出した声明に明記した。
加盟国が輸出増を目的に自国通貨を安値に誘導しないよう圧力をかける狙いがあるとみられる。(ワシントン 小雲規生)