【視点】農業人口減少対策 外国人よりハイテク化急げ (1/4ページ)

 ■産経新聞社論説委員・河合雅司

 農業就業人口が下げ止まらない。2015年の農林業センサスによれば、5年前の前回調査(10年)に比べ50万9000人減り、209万7000人となった。1990年は482万人だったから四半世紀で半数以下になった計算だ。

 農業就業人口の高齢化も進んでいる。平均年齢は66.4歳となり、65歳以上が占める割合は63.5%に上った。

 高齢化や人口減少に伴う労働力不足で田畑を耕す人が減れば、必然的に荒れ地も拡大する。農林水産省は14年の荒廃農地27.6万ヘクタールのうち再生利用可能な土地は13.2万ヘクタールに過ぎず、半数に満たないとしている。耕作放棄地(15年)は42.3万ヘクタールに及ぶ。農業を主産業とする地方にとっては、農地を維持できなければ、ますます人口流出が進む悪循環に陥る。

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 打開策として期待を集めているのが、外国人労働者の活用である。政府は地方の要望に応えるべく、国家戦略特区において外国人の就農を解禁する方針だ。農業に関して一定水準以上の技能や知識を持つ「専門人材」を受け入れようというのである。

外国人労働者を受け入れたら、どのような懸念材料があるのだろうか