中学教諭57%「過労死ライン」 文科省調査 残業80時間、小学校は33% (1/2ページ)

 文部科学省は28日、小中学校の教員を対象とした平成28年度の勤務実態調査結果(速報値)を公表した。18年度の前回調査と比べ、小中の教員とも勤務時間が増加し、週60時間以上だった教諭は小学校で33・5%、中学校では57・7%に上った。公立校教員の勤務時間は週38時間45分と規定。これらの教諭は週20時間以上の時間外労働が常態化しており、おおむね月80時間超が目安の「過労死ライン」を上回っていることになる。

 文科省は「学校を支える教員の負担は限界に近い」とし、結果を分析した上で、中教審などで今後対策を議論する。

 今回の調査は、全国の小中各400校の約2万人に、28年10、11月の連続する7日間の勤務状況を聞いた。

 調査結果によると、小学校教員の平日1日当たりの勤務時間は副校長・教頭が12時間12分(前回比49分増)で最も長く、教諭は11時間15分(前回比43分増)だった。中学も副校長・教頭が12時間6分(同21分増)で最も長く、教諭の11時間32分(同32分増)と続いた。