伝統消えゆくタイの少数民族 北部の山に住む人々「モン族」 (4/4ページ)

2017.5.2 05:00

モン族が暮らす村。タイ政府が電波塔を建設したため、今では携帯電話も通じる=タイ最北部チェンライ県(小堀晋一撮影)
モン族が暮らす村。タイ政府が電波塔を建設したため、今では携帯電話も通じる=タイ最北部チェンライ県(小堀晋一撮影)【拡大】

  • 学校の校庭で遊んでいたモン族の子供たち。笑顔が印象的だ=タイ最北部チェンライ県(小堀晋一撮影)

 ◆暮らし急激に変化

 モン族は現在、タイ国内に約15万人が暮らしているとされる。山岳少数民族としては、ミャンマーとの国境にかけて多いカレン族の約40万人に次ぐ規模だ。カレン族の一部には女性が首に真鍮(しんちゅう)の輪をはめる「首長族」も含まれる。ほかにチェンマイやチェンライなど北部の山間部では、約10万人のラフ族、約7万人のアカ族などが有名で、中には1万人に満たない部族もいる。いずれも暮らしぶりが急激に変化しており、タイへの同化が進んでいるというのが共通点だ。

 タイでは長らく山岳民族のことを「未開の人々」を意味する「チャート・カオ(山に住む人々)」と呼んで差別の対象としてきた。行政の支援も少なかった。だが、現在ではタイ政府も国の求心力を高めるために積極的な財政出動や教育支援を行っている。民族の独自性を維持するためのエスニック・ツーリズムなども盛んだ。その一方で、伝統的な民族の暮らしは静かに消えつつもある。流暢(りゅうちょう)にタイ語を操る子供たちを見て、そのことを強く感じた。(在バンコクジャーナリスト・小堀晋一)

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