【ロンドン=岡部伸】6月8日の総選挙に向け英下院(定数650)が3日解散し、選挙戦が正式にスタートした。選挙後に始まる欧州連合(EU)離脱交渉をめぐって、単一市場のアクセスより移民制限を優先する「強硬離脱」(ハードブレグジット)構想を掲げるメイ首相に対する事実上の信任投票。最大野党、労働党はコービン党首の支持が低迷し、苦戦が予想され、世論調査ではメイ氏率いる与党、保守党の支持率が労働党を10~20ポイント上回り、圧勝する勢いだ。
総選挙は、EU離脱に向けた政府の「強硬離脱」の交渉方針を支持するか否かが最大の争点。保守党が大勝すれば、メイ氏は交渉を進める上で政権基盤と求心力を一層強固にすることができる。
しかし残留派を中心に「強硬離脱」への反発もある。労働党など野党は、単一市場へのアクセスを維持する「穏健離脱」への転換を訴え、首相の「強硬離脱」方針に懐疑的な有権者を引き込みたい考えだ。