【論風】苛烈な日米経済対話 TPP見直しを交渉のカードに (3/3ページ)

 米抜き会合で主導権

 5月下旬に、ベトナムでアジア太平洋経済協力会議(APEC)が開催される。そこでは、米国を除くTPPメンバー11カ国が、再度TPP批准に向けて、閣僚級協議を行う予定だ。これは、日本にとっては、大きなチャンスになる可能性がある。日本が自由貿易協定でリーダーシップを発揮できる可能性があるからだ。米国の参加を前提としたTPPの協定内容を見直す機会が与えられる可能性もある。その場合、新たなTPP協定を、米国との2国間貿易交渉のカードに使いたいところだ。中国を中心に準備が進んでいる東アジア地域包括的経済連携(RCEP)にも、一定の牽制(けんせい)になる。

 4月中旬に今年のAPEC議長国ベトナムを訪問し、なお未整備ながら若く躍動感のある国の成長力を目の当たりにしてきた。同国を中心に新たなTPPの枠組みが作られ日本に新しい可能性を開いてくれるものと信じたい。

【プロフィル】鈴木誠

 すずき・まこと 慶大商卒、1988年東洋信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)入社。ベンチャー投融資担当などを経て98年退社、2001年日本ブランド農業事業協同組合事務局長、03年3月ナチュラルアート設立。農業経営・地域経済活性化・店舗運営・食育プロデューサー。大正大学客員教授。八戸学院大学客員教授。50歳。青森県出身。