2020年東京五輪・パラリンピックの経費分担問題で、東京都の小池百合子知事は11日、安倍晋三首相と官邸で会談し、都が都外の競技会場の仮設整備費を原則として全額負担する意向を伝えた。会談後、報道陣の取材に「ホストシティーとしての役割を担う」と答えた。今後、都と組織委員会、国の3者協議で最終的な調整を行うことになり、大会開催が3年後に迫る中、難航していた経費分担問題は大きく前進する。
菅義偉官房長官は同日の記者会見で「大会準備が進むことを期待したい」と述べ、丸川珠代五輪相は参院内閣委員会で「仮設整備以外の全体の費用について早期に成案を得られるように努力したい」と語った。
組織委の試算では都外6道県にある11会場の仮設整備費は計438億円。その後に決まった野球・ソフトボールを含めると、500億円前後に上るとみられる。小池氏は財源については「これから都で精査する」と述べたが、都議会の一部で反発する声も上がっている。
小池氏によると、会談ではセキュリティーやドーピング対策について国が負担することを再確認。パラリンピックの運営費用についても一定負担を求めた。会談で首相は「いよいよ20年に向かって進んでいく」と評価したという。
また、組織委の森喜朗会長は報道陣に「何もかも東京都にお願いするわけじゃない。仮設ではわれわれとしてやるべき所もあるだろうしケース・バイ・ケース。それは相談してやっていく」と述べた。