政府は23日の経済財政諮問会議で、6月上旬に策定する経済財政運営の指針「骨太方針」の骨子を示した。安倍晋三首相が憲法改正の柱と位置付ける高等教育無償化も念頭に、今後の重点課題として「格差を固定化させないための人材投資・教育」を提示。低所得の家庭でも均等に高等教育を受けられるよう授業料負担などを軽減し、格差の固定化を防ぐ姿勢を打ち出した。また中長期的な成長拡大に向け、「働き方改革」「少子化対策、子ども・子育て支援」も柱に据えた。
政府は骨子を踏まえ、与党とも調整しながら、骨太方針策定に向けた最終的な検討を進める。教育に関しては、骨太方針策定後に人材投資を議論する政策会議を立ち上げ、無償化の範囲や財源も含めた検討を本格化する方針だ。
骨子は、日本経済の現状分析や今後の重点課題など、4章で構成されている。重点課題の一つには「人材投資・教育」を掲げ、具体的には、人材投資の抜本強化▽教育の質の向上▽学び直し教育の充実-を進めていくとした。
「働き方改革」は、同一労働同一賃金や非正規雇用の待遇改善、長時間労働の是正といった、これまでの取り組みを引き続き進める方向性を提示。
内需の要である「消費の活性化」については東京五輪・パラリンピックに向けた取り組みやプレミアムフライデーの利用促進のほか、健康分野の需要喚起などを示した。
財政健全化に関しては、主要分野として「社会保障」「社会インフラ整備」「地方行財政」を提示。
このうち社会保障では、医療費の適正化や薬価制度の抜本改革、生活保護制度の見直しなどを挙げ、地方行財政では、地方交付税をはじめとした地方財政制度の改革を提示した。