アパート建設急増、「バブル前夜」警戒 大家が経営に行き詰まる「危険水域」 (2/2ページ)

2017.5.26 06:11

 最後に泣くのは

 水戸市近郊にアパート2棟を所有する60代の男性は、自己破産寸前の状況でローン返済を続けている。元々は父親が相続税対策の一環として農地を転換し建てた。大手の建築請負業者が借り上げ、家賃を30年間保証するとして建設を勧められた。しかし、入居者の減少で先に建てた1棟は相続後に契約を打ち切られ、残る1棟もこの先どうなるか分からない。

 借金は計1億5000万円を超える。最近は別の業者と地銀に新たなアパート建設を持ち掛けられた。「いずれバブルがはじけるのは目に見えているのに、業者や銀行は本当のことを言わない」と悔しさをにじませる。

 不動産業界に詳しい坂尾陽弁護士は「業者から契約を解除すると一方的に告げられ、大家が家賃の減額を強いられるケースもある」と警鐘を鳴らす。不動産調査会社タス(東京)の藤井和之氏は「最後に泣くのは銀行でも業者でもなく大家だ」と指摘する。

 金融庁も地銀に対し目を光らせている。「将来の空室率や家賃の変動リスクを十分に説明せず、安易に貸し付けている」(幹部)との疑念があるためだ。日銀も17年度の金融機関への考査(立ち入り調査)で、不動産向け融資を重点的に調べる方針だ。「一部の地銀は不動産への融資割合が高く、審査も甘くなっている」(幹部)と問題視している。

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