クロマグロ保護策相次ぐ違反で骨抜きに 国際圧力高まる懸念も (1/3ページ)

2017.6.5 15:05

太平洋マグロの資源保護策
太平洋マグロの資源保護策【拡大】

  • クロマグロ漁獲量の推移
  • 長崎県壱岐市沖で、釣り上げた規制対象のクロマグロを海に戻す中村稔さん

 資源量が減少する太平洋クロマグロの回復につなげようと政府が設けた資源保護策が、承認を得ずに30キロ未満の小型魚を取ったり、漁獲量規制を守らなかったりする違反操業が続出し、骨抜きとなっている。静岡県では今年2月、漁業者4人が無承認でクロマグロを約1・5トン漁獲していたことが水産庁の調査で発覚。規制を守り収入減となった沿岸漁業者らに不信感が募る一方、関係者の間には保護への取り組みが不十分だとして日本への国際的な圧力が強化されることへの警戒感も強まっている。

 ■年50万円

 「生活を切り詰め、資源保護のため我慢している。不正が見逃されるなら、誰も規制を守らなくなる」と話すのは、小型クロマグロを狙う一本釣り漁で生計を立てる長崎県壱岐市の中村稔さん(49)。最盛期の2月下旬、同市の勝本漁港から北約20キロ沖で約15時間に及んだ漁で釣れたクロマグロ3匹は、規制対象の小型魚だった。海に戻したため、この日の収入はなかった。

 日本近海などに生息する太平洋クロマグロの資源量は、平成26年時点で約1万7千トンと最盛期の10分の1近い水準にとどまる。政府は、日米などが参加する中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の合意に倣い27年、小型魚の漁獲量を14~16年平均から半減する規制に踏み切った。

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