印牛肉紛争、一触即発の危機 与党影響増大、保護名目で弾圧拡大 (1/3ページ)

2017.6.5 05:00

インドの食肉大手アラーナの食肉処理工場で水牛を解体する従業員=印ウッタル・プラデシュ州アリーガル(ブルームバーグ)
インドの食肉大手アラーナの食肉処理工場で水牛を解体する従業員=印ウッタル・プラデシュ州アリーガル(ブルームバーグ)【拡大】

 インドで牛肉をめぐる対立が深刻化している。世界最大の牛肉輸出国である同国において、食肉処理業者や牛農家に対する“牛の保護名目”の弾圧が拡大しているためだ。その背景には、牛を神聖化する多数派ヒンズー教徒から支持を集める印与党、インド人民党(BJP)の影響力増大があり、食肉関連業に従事する少数派イスラム教徒との摩擦も生じている。インドの牛肉紛争は宗教的対立にとどまらず、同国の政治や経済に一触即発の危機をもたらす可能性がある。

 ◆世界最大の輸出国

 インドに約10億人いるとされるヒンズー教徒が「牛」、特に「雌牛」を神聖な生き物として崇拝する一方、同国は2014年以来世界最大の「牛肉」輸出国であり続けている。

 インド食肉畜産輸出業者協会(AIMLEA)によれば、インドの牛肉産業は年間48億ドル(約5300億円)の市場規模を持ち、約250万人を雇用している。

 インドの食肉業界を下支えしているのが水牛農家だ。インドで牛肉といえば、ヒンズー教徒が神聖視する「牛」ではなく「水牛」を指すことが多く、イスラム教徒が食肉処理従事者の大半を占めている。

 ヒンズー至上主義のBJPは、党首であるモディ首相の高い支持率を追い風に牛肉規制強化を進めている。

 連邦政府は5月末、水牛を含む牛の食肉処理を目的とした売買を全国的に禁止する法令を出した。これを受けて牛肉の消費や輸出が盛んな南部を中心に抗議活動が拡大しており、政府は法令の見直しを迫られている。

 南部タミルナド州の裁判所は5月30日、法令が違憲であるとする食肉業者らの訴えを受け、審議のため4週間の差し止めを命じた。

 さらに今回の禁止令は、インドでは少数派のイスラム教徒の水牛を食する権利を侵害するものであり、政府はヒンズー至上主義の政策を推進していると非難する声も上がっている。

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