タイ北部の新たな経済回廊、効果に疑問 インフラ整備で政府動き見せず

2017.6.13 05:00

南北と東西を結ぶ経済回廊が交差する地点=タイ北部ピサヌローク(共同)
南北と東西を結ぶ経済回廊が交差する地点=タイ北部ピサヌローク(共同)【拡大】

 タイ北部とラオス、ミャンマーをつなぐ新たな経済回廊(国際幹線道路)の構想が浮上している。東南アジア諸国連合(ASEAN)を横断する物流だけではなく、観光や医療での交流拡大を目指して企業などに投資を呼び掛ける。ただ、既存の経済回廊はコストや安全面で課題を抱え輸送需要が伸び悩んでおり、新構想の狙いが成就するかは不透明だ。

 「LIMEC」と名付けられた回廊は、農業が盛んなタイ北部ピサヌローク県が中核。世界遺産で知られるラオス北部の古都ルアンプラバンから、ピサヌローク県などタイの5県を経て、ミャンマー南東部の港湾都市モーラミャインへ抜けるルートだ。5県が中心となって構想をまとめた。

 各県は独自の産業や観光資源を有しているが、単独では事業の拡大や集客増に限界があるのが実情。回廊で結び人やモノの流れを活発化させ、産業の発展につなげるのが目的だ。

 ピサヌローク県はインドシナ半島の南北と東西を結ぶ経済回廊が交わる交通の要衝でもある。同県の担当者は「北部地区に特化した経済回廊をつくりたい」と話し、ラオスやミャンマーの関係者を招いた会議を開くなどの取り組みを進めているという。

 旗振り役を担うナレスアン大(ピサヌローク県)のブーンスブ・パニチャカーン教授は「経済回廊が目指すのは物流や投資のほか、教育や医療、観光の拡大だ」と話す。

 だが、東西回廊が大都市圏を通っていないため物流の大動脈としての機能を果たせていないのと同様に、地方都市を結ぼうとするLIMECが、どれほどの経済効果を生み出すかについては疑問が残る。

 さらに、実現には山間部での道路開発などインフラ整備が必要となる。構想をまとめてから5年ほど経過したが、タイ政府の具体的な動きは見えてこない。

 パニチャカーン教授は「タイはモノもカネもバンコクに集中して、地方に目を向けようとしない」と嘆いた。(ピサヌローク 共同)

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