韓国大統領が脱原発宣言、新規計画「全面白紙化」 福島事故の影響「把握不可能な状況」

韓国・釜山郊外の古里原発1号機の前で演説する文在寅大統領=19日(聯合=共同)
韓国・釜山郊外の古里原発1号機の前で演説する文在寅大統領=19日(聯合=共同)【拡大】

 【ソウル=名村隆寛】韓国の文(ムン)在寅(ジェイン)大統領は19日、南東部、釜山(プサン)郊外で前日深夜に運転を終了した古里(コリ)原発1号機を訪れ演説し、原発政策を全面的に見直して原発中心の発電政策を破棄し、「脱原発に進む」と宣言した。2011年の東京電力福島第1原発事故にも言及し「原発は安全でも、安くも、環境に優しくもない」と強調した。

 文氏は「新規の原発建設計画を全面的に白紙化し、寿命を超えた原子炉も運転しない」と表明。また、昨年9月に南東部の慶州(キョンジュ)で起きた地震で建物に被害があったことに触れ、「韓国はもはや地震安全地帯ではない。地震は原発の安全性に致命的だ」と強調した。

 その脈絡で文氏は「福島原発事故で2016年3月現在、1368人が死亡し、被害の復旧に総額220兆ウォン(約22兆円)という天文学的な予算がかかるという。事故後、放射能の影響が原因の死者やがん患者の数は把握も不可能な状況だ」と指摘。福島原発の事故を“あしき前例”として挙げた。

 文氏は再生可能エネルギーや液化天然ガス(LNG)、太陽光、海上風力などによる発電を積極的に推進する方針を示した。