業界最大手のテバが製造するジェネリック医薬品(後発薬)。従来型の成長モデルは転換を迫られつつある(ブルームバーグ)【拡大】
ジェネリック医薬品(後発薬)業界はここ10年、薬剤の特許期限切れを待って模倣薬を製造するという単純な成長モデルに従ってきた。しかし、2019年以降、大型の先発医薬品の特許切れが急減する見込みで、2000億ドル(約22兆2600億円)規模の市場を持つ後発薬業界は早急に打開策を見いだす必要に迫られている。
新薬かM&Aか
同業界にとって、18年は最後の大豊作の年になるとみられる。米オッペンハイマーのアナリストらが行った調査によれば、18年に278億ドル規模の医薬品が特許権保護を失った後、翌年は特許切れになる先発薬が約3分の2減少、その翌年はさらに減少が加速する見込みだという。これが意味するところは、ジェネリックの時代が終わりを迎えつつあるということだ。イスラエルのテバ・ファーマシューティカルや米マイランなどの後発薬大手を含め、世界中の製薬会社が今後の動向を見極めようと競い合っている。
業界でいち早く対策に乗り出したのが、インドのジェネリック会社、グレンマーク・ファーマシューティカルズだ。現会長のグレン・サルダニャ氏は16年前に父親から同社を引き継いだとき、1つの賭けに出た。模倣薬を作るだけでなく、全く新しい薬の開発にも乗り出したのだ。